手術後のメンテナンス

院長インタビュー

院長インタビュー ―術後のケアで一番大事なのは 便の調子を整えること―

 

術後のケアで大切なことは?

術後の飲酒、刺激物の摂取などは症状を悪化させはするものの、決して「お尻の病気の原因」となるものではありません。では、お尻の病気の原因となるのは何なのか?それは便の調子です。調子良く便が出ないために、排便時に長時間力んでしまうことがお尻にとって一番良くないのです。そのため、術後のケアとしては「便の調子を整えること」が一番重要となります。

「便の調子を整える」ために必要なことは?

その前にまず、「良い便」についてお話しします。適度な硬さのあるバナナ型の便が、スルスルと途切れることなく出て、さらにトイレットペーパーで拭いても汚れが付かない、これが理想的な便の状態です。そのためには「水分」「食物繊維」「腸の働き」という3つの要素が必要となります。

排便時に力むことなく、スルスルと良い便を出すためには、便の中にほどよく「水分」が含まれている必要があります。そして、便の量が少ないと「腸の働き」が悪くなるので、「食物繊維」で便の量を増やしてあげなければいけません。

水分が不足しているため硬い便しか出ないような場合には、便の中にお水を残すお薬(酸化マグネシウム)を処方したり、積極的に水分を摂るようにアドバイスしたりして調子を整えます。

また、柔らかい便が何回も分けて出るという場合には、便の量が足りないということなので、便の量を増やすお薬を処方したり、積極的に食物繊維を摂るようにアドバイスしたりして調子を整えます。

そして、便の量が少ないと腸の働きが悪くなるので、便の量を増やして大腸を刺激して働きを良くします。

このように「水分」「食物繊維」「腸の働き」という3つのポイントに着目して、いかに調整していくかが術後のケアでは大事になります。

「便の調子を整える」ことは病気予防にもなる?

そうです。術後の再発を防ぐためにも、便の調子を整えることはとても大切です。手術を受けられる方にも、「良い便を出すことが最終目標ですよ」とお伝えしています。最初にも言いましたが、排便時に長時間力んでしまうことがお尻にとって一番良くないわけですから、それが改善できれば病気も予防できるというわけです。当院には、便秘改善のためだけに通院されている方もおられます。

 

―蓄積されたデータがあるからこそ

自信を持って術後の経過がお伝えできるのです―

 

手術後の経過が心配な方も多いと思いますが?

手術後の経過として注意するべき点は、「出血」「痛み」「排便」の3つです。この3つがしっかりと管理できれば問題ありません。術後の経過については、「出血や排便時の痛みは、ほとんどの患者様が1週間から10日程度で治まって、楽になります」というように、詳しくお伝えするようにしています。すると皆様すごく安心されますし、実際にその通りになることがほとんどです。

どうして術後の経過がそこまで詳しくわかるのでしょうか?

これは、当院の90年という長きに渡る歴史によるところが大きいです。これまで数多くの患者様に手術を行ってきた豊富な経験・実績があるからこそ、先の見通しをお伝えできるのです。また、患者様に術後の経過にアンケートを取るのですが、これも役立っています。アンケート結果の統計を調べてみると、やはり「1週間から10日程度で楽になった」という結果が出ています。このように、蓄積されたデータがあるからこそ詳しく経過がお伝えでき、自信を持って「もう少しで楽になるから、頑張ってくださいね」と言えるのです。

ちなみに、こうした術後の経過を詳しく記載したものや、これまでの患者様のアンケート結果などを入院設備に置いていますので、それをご覧になられて安心される患者様も大勢いらっしゃいます。

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